長船の刀に退いた金峯山の天狗
どんな伝承か
秋山の神主が、金峯山の頂の岩陰で修行していたときのことである。ある晩、外へ出て小便をしていると、どこからか、でっかいな、と声がした。神主が、大きければしゃぶり上がれ、と言い返すと、相手は八つ裂きにするぞと言いながら黒々と迫ってきて、堂を揺さぶった。ところが神主の頭と腰にある物を見るや、良い物を持っているから勘弁しておく、と言い残して立ち去った。神主は髪を伊勢大神宮の紙縒で結い、腰には長船の刀を差していた。これも天狗の仕業だと伝えられる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
南佐久郡誌 民俗編――伝説・世間話(南佐久郡(編)・南佐久郡誌・自治体史(民俗))
『南佐久郡誌 民俗編』第十三章所収の伝説・世間話。長野県南佐久郡に伝わる口承を採録する。