伊倉山の流人伝説
どんな伝承か
「忘らるる身の憂きことやいくら山いくらばかりのなげきたるらむ」などの歌に詠まれた伊倉山は、『歌枕名寄』に「いくら山信濃伊倉山、正字未詳」と見えているが、『信濃地名考』は、佐久の人々が信じているように「今、居倉村にあり、是にや」と言っている。この辺には御所平の地名があり、山中には臨幸坂などの路がある。これらは皆流人の跡だといい、「忘らるる……」の歌なども、恐らくは信濃に配流になった人が、思い出のすさびに歌ったものかと思われる節が多い。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
南佐久郡誌 民俗編――伝説・世間話(南佐久郡(編)・南佐久郡誌・自治体史(民俗))
『南佐久郡誌 民俗編』第十三章所収の伝説・世間話。長野県南佐久郡に伝わる口承を採録する。