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判官臨席、気合術実験

所在地大阪府大阪市天王寺区(洞厳寺)
年代明治三二
登場井村宏次、西岡裁判長、吉田徳松、前田喜一、裁判長、実験患者
出典霊術家の饗宴

どんな伝承か

弁護側の再三再四に及ぶ実地検分の要求に対し、検事側は猛然と反駁したが、西岡裁判長の断が下されて実施が決まった。判事、検事、警察官が臨席する気合術実験の日である。師走の五日、習慣の早朝の水垢離をとった熊嶽は寒々とした施術所の中央にどっかりと坐り、日の出を待った。六時をすぎると病人たちが口縄坂を三々五々登ってくる。集まった病人は二百余名、うち十五名が三者合議で実験患者に選ばれた。白木綿の単衣と白袴の熊嶽は水盤に護摩木を組んで結界を作り、呪文ののち九字を発した。一人目の吉田徳松は手を触れられぬまま上顎の歯が抜け、リューマチの前田喜一も気合を浴びて自ら立ちあがって歩き出した。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

霊術家の饗宴(井村宏次・井村宏次・霊術研究・現代(著述))

井村宏次『霊術家の饗宴』。明治末から昭和初期にかけて隆盛し、抹消された〈霊術家運動〉の歴史を発掘・復元する。プロローグで霊術家の運命を予告し、第一章では気合術師・浜口熊嶽が帝都に乗り込み九字と気合の嵐で名を上げ、明治の心霊手術を行い、実川上人のもと那智滝で仙人修行・三密の極意を得て、大阪の『真言秘密』裁判で判官臨席の気合術実験により勝利するまでを描く。

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