和歌山城下すもと屋の御幣降り
どんな伝承か
慶応三年十二月十一日、和歌山城下万町のすもと屋に金の御幣が降ったとの噂が広がり、群衆は下駄や草鞋のまま座敷に上がり込み「ええじゃないか」と囃し立てて踊った。向かいの家にも御幣が降り、その家がちょうど運んでいた柿や蜜柑を群衆が奪い取り踏みつけにした。翌十二日には御幣・観音・大黒などの札も降り、桶屋町では門口に笹を立てて社に納め、神酒や燈明を供えて拝む者でにぎわったが、藩はこの夜に禁令を出し騒動をおさめた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
ええじゃないか(高木俊輔・1970年代~1980年代(推定))
本書は幕末維新期の慶応3~4年(1867~1868年)に東海地方から四国地方にかけて流行した「ええじゃないか」という民衆運動を詳細に記録した研究書である。神社仏閣の札が降下する「お札降り」現象を契機として、老若男女が「ええじゃないか」と囃しながら踊り狂い、祝宴を催す集団心理現象が急速に波及した。