震災の横丁で髪をむしられた女
どんな伝承か
関東大震災の日、著者は日本橋界隈で惨状を目にした。倒れた呉服屋の二階で敷居と鴨居に挟まれた店員は、火が迫るなか膝の下を切り落として救い出された。東海銀行の横丁では、髪結いに来ていた年増の女が窓の鴨居に髪を挟まれ、泣き叫んでいた。切る道具が見つからず、慌てた若い弟子たちが力任せに首を引っ張り、とうとう髪をむしり取ってしまった。血だらけになった頭をエプロンで押さえ、女はどこかへ駆けて行ったという。人は群れると無茶をするものだと著者は書いている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
私の心霊術(長田幹彦・昭和中期(1940年代~1950年代推定))
幼少期の地獄極楽のぞきからくり(私の心霊術)/心霊術と降霊の実演/作家長田幹彦の心霊体験/交霊と幽霊との接触/明治〜昭和の心霊文化