古武士千人の怨霊
どんな伝承か
岡崎市明大寺町に絵女山という小高い山があり、その頂上には千人塚があって地元の人々の恐怖の的であった。そこは戦国時代に小豆坂とよばれた古戦場で、合戦で殺された古武士千人を穴に投げ込んで土をかぶせたところと伝わる。供養もされなかったらしく、夜になると古武士の亡霊がさまよい、合戦の声がして火の玉が飛び交った。たすけてくれ、水をのませてくれという苦しげな声が麓まで聞こえた。山に足を踏み入れた者には祟りが起き、周囲に家を建てたり山林を開拓したりすると不幸が舞い込んだ。伊予田英照は自宅と田畑を処分して絵女山全体を買収し、明治四十四年十二月に千人塚へやしろを建てて弔うと、亡霊はぴたりと出なくなった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の四次元(鈴江淳也・心霊・四次元・昭和)