生き血を吸う猫石の精
どんな伝承か
江戸の後期から明治にかけて、岡崎・有馬・鍋島の三つは三大怪猫譚として芝居や講談で広く知られた。このうち岡崎のものは、『四谷怪談』で名高い鶴屋南北の『独道中五十三駅』に組み込まれた一段に由来する。舞台となるのは東海道の岡崎丸子宿で、そこにあるという猫石に宿った精が、女の生き血を吸って十二単をまとった老女の姿に化ける。有馬と鍋島の二つが大名家のお家騒動を下敷きにするのに対し、こちらは道中物の趣向として仕立てられた怪異であった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
妖怪伝説奇聞(東雅夫・1996年-2004年(取材期間に基づく推定))
魔王の木槌を求めて=稲生物怪録(妖怪伝説奇聞)/稲生平太郎の妖怪変化体験/一ツ目巨人・逆さ生首・化け蝦蟇/三次・比熊山の妖怪伝説/各地の妖怪奇聞