「死神」を見た人たち
どんな伝承か
映画評論家の淀川長治は、死神の姿を見た経験の持ち主である。母の柳が八十五歳で健康を損ね、鶴見区の富士電機病院に入院してからは、病室に寝泊まりして看病していた。ある夜、異様な気配に目が覚めると、病室の白い壁の四隅に、片膝を立てた格好の死神が四人も坐り込んでいた。灰色よりやや黒ずんだ姿で、じっと病人を凝視している。母に死が訪れたと悟った淀川は、自分の命を半年縮めてよいから母を半年生き永らえさせてほしいと必死に念じ続けた。朝になると母は小康を得て笑顔が戻り、逝去したのはまさしく半年目の昭和四十五年五月二十九日のことであったという。
原典より
* 死の瞬間とその後の世界* 人魂と幽体離脱* 心霊写真の不思議* 映像テレパシー 白日夢* 新幹線の四次元地帯* 「霊震」に揺らぐ文殊堂* 医学を超える「心霊治療」—— 日本の四次元(鈴江淳也・心霊・四次元・昭和) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の四次元(鈴江淳也・心霊・四次元・昭和)