ムクノキの下を転がるテンコツチ
どんな伝承か
柵原町飯岡の飯岡神社の西方には大きな池があり、その排水溝と道をはさんだ向かいに、樹齢二百五十年と伝わるムクノキの大木が近年まで立っていた。いまは枯れて切り株だけが残る。地元の秋山勇の話では、そのムクノキのあたりに、真夜中になるとテンコツチが転がり出たという。テンコツチとは藁を打つのに使う槌のことである。秋山自身は見ていないが、何人もの人から目にしたという話を聞かされたそうだ。木は墓地と道路の境に生えており、その木陰は夜ともなればひときわ濃い闇をつくっていた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
妖怪伝説奇聞(東雅夫・1996年-2004年(取材期間に基づく推定))
魔王の木槌を求めて=稲生物怪録(妖怪伝説奇聞)/稲生平太郎の妖怪変化体験/一ツ目巨人・逆さ生首・化け蝦蟇/三次・比熊山の妖怪伝説/各地の妖怪奇聞