もの言う魚
どんな伝承か
山之上部落のある百姓が釣りに出て、徳善淵で糸をたれていると、ものすごく大きななまずが食いついた。それを釣って久木の谷を奥へ担いで入った。なまずは肩から足元へ引きずるほど大きかった。久木の奥の谷をタカシロへ向けて行くと、荒神様のほこらの中から「おい、徳善殿、どこへあんたは行かれるんか」と声を掛けた。すると背中のなまずが「ああ、ちょっと甲羅干しにタカシロの尾根まで行こうかと思うんじゃ」と答えたという。それを聞いた百姓はびっくり仰天して、なまずを投げ捨てて帰った。そのおじさんは大変な熱を出して参ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第10巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第10巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全85話(岡山・広島・山口=中国地方)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。