もの言う魚
どんな伝承か
岡山県上房郡賀陽町の小夜谷川には、祢屋が淵、乙ヶ瀬淵という二つの淵がある。昔、日照りで小夜谷川の水も枯れたため、ある男が乙ヶ瀬淵の水をかえて大ウナギを捕らえた。ところが帰る途中で雨が降り出すと、祢屋が淵の方から「乙ヶ瀬、どこへ行くぞ」という声がした。すると背負った桶の中から「悲しや、雨を呑んだばかりに鍋が淵へ連れて行かれる。もはやこの世の別れじゃ」と声がしたため、男は驚いて桶を捨てて逃げ帰り、三日間熱を出して寝込んだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第10巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第10巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全85話(岡山・広島・山口=中国地方)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。