3. 迷い込んだ道で女霊が身の上話を始める
どんな伝承か
静岡県南伊豆町の蛇石峠周辺でのできごと。マーガレットラインの崖崩れで通行止めとなり、蛇石の集落から山道に入った文屋さんの車の窓に、髪を振り乱した女がぴったりと張りついた。女は「鹿児島で生まれ、集団就職で東京に出た」と、脳に直接響くような声で身の上話を語りかけてくる。あっち行けと叫んでも消えず、伊浜の村に着くころにようやく姿が見えなくなったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
水辺の怪談2(水辺の怪談シリーズ・2000年代初期(推定))
釣り人の実話水辺怪談アンソロジー第2集。南紀白浜三段壁で声をかける白い服の女、伊豆の蛇石峠で車窓に張りつき身の上話を脳に直接響かせる女霊、箱根の戦後火葬場跡の足音、黒部峡谷の隧道の呻き、奥多摩湖畔に現れる自殺女性、豪雪で全滅した廃村の足音、渓流で足首を掴む手、河口湖の憑依と竜神の警告など、水辺の死者との遭遇譚を集める。