嫁の幽霊が出た墓地
どんな伝承か
所沢市東部で若いころに聞いた噂話だという。Aという人の妻が、嫁いでからいくらも経たないうちに亡くなった。同じ家に住む小姑が、亡くなった嫁の持ち物をすべて自分のものにしてしまうと、その嫁の幽霊が墓地に出るようになった。Aの家から本家へ行くには必ず墓地の近くを通らねばならなかったが、小姑が本家へ用事で出かけようとすると、決まって墓地に嫁の姿が現れ、一人ではその道を通れなくなったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
所沢市史 民俗編(所沢市史・昭和中期(推定))
本書は埼玉県所沢市の民俗編として、明治から昭和戦中にかけて市内に伝承された怪談や民間信仰を記録した資料である。主な内容は、家に棲み着くヘビ、仏様が姿を変えた霊的存在、天狗やカッパなどの妖怪に関する伝承、雷獣などの民俗的存在が多く、これらは子供のしつけや禁忌事項として語り継がれていた。記録された話の多くは目撃者からの伝聞であり、所沢市内の実在する地名(北秋津、南永井、久米、本郷など)と結びついた地域固有の民間信仰を示している。