ラフカディオ・ハーンによる件の剥製目撃
どんな伝承か
明治二十五年、来日三年目のラフカディオ・ハーンは近畿から山陰各地を訪ね、その体験を『知られぬ日本の面影』に収めた。うち「伯耆から隠岐へ」の一節に、隠岐へ渡る汽船が島根半島東端の漁港・美保関にさしかかった折、同乗の友人が語った話が出てくる。大阪から境に来ていた旅芸人の一行が、虎など珍しい動物とともに件の剥製を携えて美保関行きの出雲丸に乗ったところ、汽船が港に入った途端に突風が襲った。神主たちは、死んだ獣の骨や身体の一部という不浄なものが町へ持ちこまれたために神が怒られたのだと言い、見世物の一行は上陸を許されなかった。船が去ると、たちまち空は晴れ、風も止んだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
妖怪伝説奇聞(東雅夫・1996年-2004年(取材期間に基づく推定))
魔王の木槌を求めて=稲生物怪録(妖怪伝説奇聞)/稲生平太郎の妖怪変化体験/一ツ目巨人・逆さ生首・化け蝦蟇/三次・比熊山の妖怪伝説/各地の妖怪奇聞