たらいほどの火が飛ぶザンネン火
どんな伝承か
天理市藤井のあたりでは、十市城が落ちて以来、毎年あやしいヒトダマが西へ飛ぶと語られてきた。これをザンネン火、あるいはジャンジャン火と呼ぶ。大きさはたらいほどもあり、百メートルばかり離れていても火の燃えるジャンジャンという音が聞こえる。家の門口を通り過ぎるときには、その明るさで家の中のくもの巣や障子のちりまで見て取れるという。道を行く者がこれに出くわしたら、すぐ橋の下などへ逃げ込んで、通り過ぎるのを待つことになっていた。もともと十市山にはゴロという生き物がいるといい、ゴロリと太く、太さと長さがほとんど同じで目も鼻もない。人を見ると飛んでくるこのゴロが、夜になるとジャンジャン火になるのではないかともいわれる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本怪談集 幽霊篇(今野圓輔・今野圓輔・日本怪談集・昭和(怪談集成))
日本各地の幽霊・人魂・生霊の実話怪談を十章+幽霊外伝に分類して集成する。