トップ > 東京都の伝承 > 文京区

女中の身体を借りた稲荷の小狐

所在地東京都文京区本郷(東京大学)
登場泉淵忠左衛門、お松、加賀藩江戸屋敷留守居役、女中
出典江戸動物民話物語

どんな伝承か

加賀前田家の江戸屋敷で留守居役を務めた泉淵忠左衛門の夢に一匹の小狐が現れた。本郷四丁目の糀屋の裏に祀られた稲荷の子だが、親と喧嘩して追い出され行き場がないので、女中の体をしばらく貸してほしいと繰り返し頼む。哀れに思って承知すると、翌日の昼ごろから、気の利かなかった女中のお松が別人のように働き出し、針仕事までこなして五人分も働いた。忠左衛門は狐がついたと察したが誰にも言わなかった。ある日の外出前、お松は昼過ぎから雨になると傘を差し出し、晴れていた空から本当にその刻限に雨が降った。やがて狐は去りお松は元に戻ったが、これが縁で忠左衛門には良いことが続いたという。屋敷は今の東京大学の一帯にあった。

原典より

ところがどうだろう、今まで気の利かない女中だったお松が、その日の昼ごろから急にバリバリ働き出したのである。—— 江戸動物民話物語(窪田明治) より引用
地図で位置を見る

※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

江戸動物民話物語(窪田明治)

『江戸動物民話物語』は、「郷土史・東京」の刊行会を主宰した窪田明治が、東京の郷土史を調べた材料から江戸の民話を選んでまとめた本である。狐や狸、猫、蛇が人を化かし、恩を返し、祟る話を中心に、本郷・王子・向島・麻布・三田など東京各地に伝わる話を収める。狐・狸・猫・蛇・不思議な生き物の五部に分け、一話ごとに舞台となった土地の史跡や寺社の由来、沿革の解説を添え、まえがきとあとがきを付す。

種別から探す

狐憑依稲荷女中恩返し狐憑き加賀藩

文京区の伝承

同じ種別の伝承

同じ文献『江戸動物民話物語』の伝承