女中の身体を借りた稲荷の小狐
どんな伝承か
加賀百万石の江戸屋敷留守居役泉淵忠左衛門は、ある夜、本郷四丁目の糀屋の裏に祀ってある稲荷の小狐が現れ、親と喧嘩して家を追い出されたので女中の身体を一時貸してほしいと繰り返し頼む夢を見た。哀れに思って承知すると、翌日の昼ごろから、それまで気の利かなかった女中のお松が急によく働き出し、針仕事までこなして一人で五人分を働くようになった。ある日は降りそうもない空を見て雨具を勧め、その言った時刻に雨が降った。やがて狐は去ってお松はもとに戻ったが、これが縁で忠左衛門にはいろいろとよいことがあったという。
原典より
東大の沿革/春日局と麟祥院/六義園狐の恩返しと大奥大奥の内幕/絵島事件狐の棲み家と上野寛永寺について人間が狐を騙した話と王子稲荷扇屋/王子稲荷社大森貝塚/六人衆/名馬池月とするすみ—— 江戸動物民話物語(窪田明治・江戸時代~明治時代の民話を記録した著作(推定20世紀初頭)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
江戸動物民話物語(窪田明治・江戸時代~明治時代の民話を記録した著作(推定20世紀初頭))