八束郡に関する民話
どんな伝承か
父が十か十一ほどの年に、山の中へ使いに行ったときのことである。途中で森の中を通らなければならず、通りかかると大きな山犬が、わあっと口を開けて舌を出し、そこにいた。父は後ろを見せれば飛びつかれると思い、子供心にも山際をこするようにして、山犬と睨み合ったまま進んだ。その前をどうやって通ったのか分からないほどだったという。そのまま使い先へ駆け込んで、気を失ってしまったと聞かされていた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 10 狼・山犬、猫(松谷みよ子・現代民話考・1970年代~1980年代推定)
松谷みよ子『現代民話考 10 狼・山犬、猫』を小話単位で全541話収録。狼・山犬・猫にまつわる現代の民話・怪異譚(送り狼・化け猫など)を全国から採集し収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明535話・市区町村判明490話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。