母親から七、八歳の頃聞いた話じゃが、母親が、丁度、子
どんな伝承か
母から七、八歳の頃に聞いた話だという。母がちょうど子を産んで納戸で寝ていると、狼が門のところまで来て、うわぁーとひと声鳴いた。その声で障子の紙がびりびりびりと響き、三度ほど鳴いて去っていったという。そのときは家の者みな顔色が変わり、恐ろしくて誰ひとり声を出せなかった。翌晩にも遠くでまた狼の鳴く声がした。それはたいそう恐ろしかったらしいと、母は語っていたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 10 狼・山犬、猫(松谷みよ子・現代民話考・1970年代~1980年代推定)
松谷みよ子『現代民話考 10 狼・山犬、猫』を小話単位で全541話収録。狼・山犬・猫にまつわる現代の民話・怪異譚(送り狼・化け猫など)を全国から採集し収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明535話・市区町村判明490話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。