わたしが子供の頃に里の祖母さんに聞いた話や
どんな伝承か
和歌山県伊都郡花園町で、子供の頃に里の祖母から聞いたという話。いまでも川の水溜りにガアタロがいて、子供が側へ寄ると捕まえて尻を抜くから、一人で川へ遊びに行ってはいけないといわれた。昔、隣の中西の家の便所のあたりを、そのまた隣の人が何気なく見ていると、川の方から走ってきたものがある。人間の子供にしては色黒く着物も着ず、猿に似ているが毛深くもない。それが便所の汲み出し口の隙間から飛び込んだので、村の人が大勢寄って探したが姿はなく、便壺の底に小鍋の蓋のような軟らかい物があり、錐の先で突くと血が出たという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 1 河童・天狗・神かくし(松谷みよ子・現代民話考・1970年代)
松谷みよ子『現代民話考 1 河童・天狗・神かくし』を小話単位で全532話収録。河童・天狗・神かくしにまつわる現代の民話・怪異譚を全国から採集し、地域・話者つきで収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明530話・市区町村判明477話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。