猿が二匹の青面金剛と石猿
どんな伝承か
十一月、西武電車の武蔵関で降り、東の踏切を北へ越すと立派な庚申堂がある。四坪ほどの地所を高い石垣で囲い、御堂は新しいコンクリート造りで、道の分かれから八、九間ほど東へ入り、石段を登って参るようになっている。遠国からの寄付もなく土地の者だけで建てたもので、参詣は今も多いらしい。本尊は平石に半浮彫りされた青面金剛像だが、様式が少し変わっていて、足下にうずくまる猿が三匹ではなく二匹である。単なる意匠ではなく信条であったらしく、堂内に納められた石猿も鳥居脇の一対も、いずれも二体ずつであった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第3巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第3巻』を全158話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。