既成宗教の下に澱む民間信仰
どんな伝承か
ここで信仰と呼ぶのは、教祖や宗派、教団に帰依するような高度な精神生活のことではない。庶民が日々の暮らしの中で、仏教や神道などの既成宗教とは関わりなく営んできた信仰的なふるまいであり、民間信仰や俗信と言いかえてもよい。既成宗教より古い信仰生活が底に沈んで積もった下部構造とも言え、既成宗教の一部が切り離されて落ちぶれ、民間信仰に変わることも多い。信仰は暮らしの根っこにあるため、年中行事をはじめ人生儀礼や農耕の儀礼、民俗芸能、衣食住の営みにまで深く結びついているという。
原典より
いわば、既成宗教以前からの信仰生活が下に澱んでたまった下部構造といえるであろう。—— 渋川市誌 民俗編(市史編纂シリーズ) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
渋川市誌 民俗編(市史編纂シリーズ)
『渋川市誌 民俗編』は、渋川市の市誌民俗編のうち、第六章「民俗信仰」の第一節から第五節の初めまでを収めたものである。人魂・幽霊・ロクロッ首・生まれかわり・死神などの霊魂の話、手をつけてはいけない聖地や耕すと祟る忌地、オサキ使いや狐つき、神かくし、若宮八幡などのたたり、イチッコと呼ばれる巫女や祈禱師、東向き鳥居参りなどの祈願を、市内の大字ごとの聞き書きで記す。はじめにで章全体を解説し、続く節では話に見出しと採集地の大字を添える。