石神井駅から見た煙突の上のカラス
どんな伝承か
昭和五十五年の暮れ、友人の家で洗濯物を干す手伝いをしていると、道の向かい側の家から妙に大きなカラスが飛んできて、頭の上をかすめ、友人宅の屋根にとまった。変な鳥だと思っていると、こちらへ向き直ってカアカアと鳴く。ちょうど祖父が入院していたので気にかかった。帰りに石神井駅のホームから何気なく小山病院のほうを見ると、病院の煙突の上で、さきほどと同じようなカラスが鳴いていた。翌朝早く、自分や子供をかわいがってくれていた知り合いの老女が亡くなったという知らせが届いた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話(松谷みよ子・民話・口承文芸・昭和)
松谷みよ子『現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話』を小話単位で全699話収録。死の知らせ・予兆、あの世(地獄・極楽)へ行った話、死者からのサイン、生まれかわりなど、生死とあの世にまつわる現代の民話を全国から採集し地域・話者つきで収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明606話・市区町村判明489話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。