遠足の帰りに行く手を塞いだカラス
どんな伝承か
昭和十年ごろ、小学校四年のときに東村山貯水池へ遠足に行った。その帰り道でカラスの群れに出くわし、行く先々でガアガアと異様な声を上げながら次々に待ち伏せされ、行く手をふさがれる形になった。とうとう道に迷って一行とはぐれ、ずいぶん遅れて駅にたどり着くと、心配した先生がひとりで待っていてくれた。その朝、弟が急に体の不調を訴えていたのだが、家に帰ると弟は死んでいた。日赤の隔離病舎で疫痢のため五歳で亡くなったのだという。カラスに囲まれたのと同じ時刻に息を引き取っていた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話(松谷みよ子・民話・口承文芸・昭和)
松谷みよ子『現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話』を小話単位で全699話収録。死の知らせ・予兆、あの世(地獄・極楽)へ行った話、死者からのサイン、生まれかわりなど、生死とあの世にまつわる現代の民話を全国から採集し地域・話者つきで収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明606話・市区町村判明489話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。