昭和五十八年一月二十四日の朝のこと
どんな伝承か
回答者・中窪寿雄の家は山また山の僻村で、本屋から離れた広場を塵埃の焼却場にしており、いつも二羽のカラスが来て餌をあさる。昭和五十八年一月二十四日の朝、焼却を終えて戻った嫁が「今朝はカラス啼きが悪かった」と言った。間もなく、二十キロ離れた春日山の入口・石切峠の実家から、母の息が絶えたと電話が来た。実母は難病で入退院を繰り返し自宅療養中に昏睡状態に陥っていた。カラスの異常な鳴き声が死を告げた話である。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話(松谷みよ子・民話・口承文芸・昭和)
松谷みよ子『現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話』を小話単位で全699話収録。死の知らせ・予兆、あの世(地獄・極楽)へ行った話、死者からのサイン、生まれかわりなど、生死とあの世にまつわる現代の民話を全国から採集し地域・話者つきで収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明606話・市区町村判明489話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。