与那覇の浦島譚(南風原)
どんな伝承か
沖縄本島でも首里に近い南風原間切の与那覇に、浦島に似た話がある。ある男が浜に出て異常な髪を拾い、翌日落とし主を探して美しい女性に返したところ、これぞ我が物、汝はまことに善人だということになって、海の都に招かれた。美しい女性に誘われて龍宮に遊び、わずか三月と思って還って見ると、この世はすでに三十三代を経て、もう子孫という者も無かった。怪しんで、開くなと戒められた紙包を解くと、中には白い髪毛があるのみで、それが皆飛んでこの男の顔にくっつき、たちまち衰老となって死んだという。葬られた地は後に御嶽となり、突き立てた桑の杖が繁茂したと伝える。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第1巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第1巻』を全451話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。