佐渡ヶ島に寄る椰子と藻珠
どんな伝承か
曲亭馬琴の随筆「烹雑の記」には、佐渡ヶ島の様子がやや詳しく記され、浜に流れ寄るさまざまな異郷の産物の中に、椰子や藻珠(モダマ)があることが誌されている。このモダマというのは、著者が伊良湖で椰子と共に拾ったものと同じで、鞘の長さ二尺ほど、堅く扁平な濃茶色の豆をもつものであった。産地や漂着の季節が同じであったために、偶然にも椰子と長い海上の旅を共にすることがあったのだろうという。佐渡のほかにも、但馬や若狭、奥州、四国などで椰子の実が漂着した例が、すでに古い記録に見えるという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第1巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第1巻』を全451話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。