青年たちが岩窟に供えられた餅を食べ尽くし
どんな伝承か
佐渡では貉つきの話が多く、中でも名高いのが二の岩団三郎で、すでに神社として祀られている。相川から半里ばかり隔たった山頂に天然の岩窟があり、そこに貉の巨魁である団三郎が住んでいるという。岩窟には絶えず参詣者があり、赤飯や餅などを供えていく。あるとき、相川の青年が二、三人連れでこの岩窟を訪ね、石の上に搗き立ての柔らかな餅が供えてあるのを見つけた。青年たちは団三郎がいるなどとは全く迷信だと言いながらその餅を食べ尽くし、さらに穴の中へ小便を放ち込み、本当に団三郎がいるなら早速罰を与えてくれと言って有無を試したという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
迷信の諸相・宗教の真相(井上円了・明治(妖怪学))
『妖怪博士』井上円了による『迷信の諸相・宗教の真相』。迷信を道理に背くことを誤って信じる心理と定義し、妖怪学の立場から全国を巡遊して各地の迷信を実地に報告・批判する(迷信打破)。