乙女ヶ池
どんな伝承か
太兵衛蟹は冬を除き一年中群棲し、堤防や畦畔の土壌を崩壊して村民の手あましものとなっているが、この蟹には伝説がある。昔、佐太川開さくの時、佐陀本郷の清水藪沖は難工事で、堰を築いてもすぐに崩れ、一向に進展しなかった。工事責任者の清原太兵衛もとうとう匙を投げてしまったが、この時、誰とはなしに「人柱」を立てようという話が出た。太兵衛も動かされ、一人の人夫が水底に葬られ、以後工事は進んで完成した。だが、人夫の怨恨は滅びず、蟹となって堤防に穴をあけ、絶えず崩壊させて止まなかったという。人々はこれを太兵衛蟹と呼んでいる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第11巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第11巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全56話(鳥取・島根=山陰)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。