人柱にされた板ん唐箕売りの地蔵
どんな伝承か
利弘には板製の唐箕をこしらえる「いたんどう」屋があり、農閑期には板ん唐箕を担いで売り歩いていた。ある日、旧神門村にあたる出雲市の方へ出向くと、折しも大川の橋普請が難航し、人柱を立てねば工事が進まぬ有様で、この道によそ者が通れば人柱にすると決まっていた。そこへ現れたのがこの唐箕売りで、捕らえられて人柱にされ、橋は無事に成った。利弘では待てど帰らず、のちに事情が知れたがどうにもならず、村角に大きな地蔵尊を建てて命日ごとに供養した。今も地蔵さん角と呼ばれる場所があり、家筋も分かっているので回向が続けられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第11巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第11巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全56話(鳥取・島根=山陰)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。