音戸の瀬戸
どんな伝承か
清盛は姫のために厳島に美しい宮殿を造り、さらに厳島への航路を開こうと、音戸の瀬戸を一日で掘り抜く決心をした。三百の人夫を督して工事を急がせたが、潮がすさまじく差してきた。清盛が凄い眼でハッタとにらみつけると、その形相に潮も逆に後へ引き返した。安芸郡音戸町一帯ではこれを清盛のにらみ潮と称し、今も満潮時に起こるという。清盛はさらに山上に駆け上がって太陽をにらみ、金扇をさし上げて「日輪よ、わが権勢を恐れないか、返せ返せ」と絶叫した。すると太陽が徐々にもとに帰り、再び夕陽の沈むころまでに工事が完了したという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第10巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第10巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全85話(岡山・広島・山口=中国地方)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。