『平家物語』の逸話
どんな伝承か
『平家物語』の「物怪之沙汰」は、福原へ都を移したのちに平相国入道清盛を襲ったもののけを記す。遷都後、平家の人々は夢見が悪く常に心騒ぎばかりして、変化の者が多かった。ある夜、清盛の臥した所に一間いっぱいに広がるほどの大きな顔が現れて覗いたが、少しも騒がず睨みつけると消え失せた。また或る朝、妻戸を押し開いて坪の内を見ると、数知れぬ死人の髑髏が転び合い、固まって高さ十四、五丈の山となり、大頭に千万の眼が現れて睨んだ。清盛が睨み返すと霜露が日に消えるように失せたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
霊魂観の系譜――歴史民俗学の視点(桜井徳太郎・桜井徳太郎・歴史民俗学・昭和(民俗学))
民俗学者・桜井徳太郎『霊魂観の系譜―歴史民俗学の視点』。日本民俗学を歴史研究と結びつける歴史民俗学の方法を提唱し、古代から現代に至る日本人の霊魂観を追究する。I『民俗学と歴史研究』では日本民俗学の宿命・対象・方法と歴史研究との関係を論じ、II『歴史民俗学の構想』では柳田国男の重出立証法を批判・克服し、奥多摩小河内村の婚姻習俗(朝聟入り型・承認権)を作業例に郷土の民俗像の史的復元を試みる。