虎御前山に拾われた娘と蛇の枕石
どんな伝承か
中野の東にあたる紺屋町に、子に恵まれない老夫婦が暮らしていた。二人は町はずれの地蔵に願をかけ続けていたが、あるとき虎御前山の桃酢谷へ栗を拾いに入り、杉の切株のところで泣いている女の赤子を見つける。夫婦はこれを引き取り、虎御前と名づけて大切に育てた。娘は美しく育ったが、やがて二度と現れぬと告げ、会いたければこの石を見よと言い残して姿を消したという。その石は水の中に沈んだまま蛇の枕石と呼ばれて残る。太夫は余呉湖のまわりに堂を七つ建てたと伝わり、川並では日照りの年に菊石姫へ願をかければ必ず雨が降るとされ、枕石を水から引き上げ、歌に合わせてその周囲を踊る雨乞いが行われてきた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第8巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第8巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全133話(滋賀・京都・兵庫=近畿)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。