鱗の現れた娘と箕面の滝
どんな伝承か
実楽の地主の家に、お光という一人娘がいた。黒髪の美しい娘だったが、夏の盛り、人が昼寝をする時分になると決まってどこかへ姿を消してしまう。不審に思った母親がある夜そっと娘の部屋をのぞくと、背中から脇腹にかけて鱗が浮かんでいた。正体を見られたお光は、もはやこの家にはいられないと告げて出て行ってしまう。二、三年ののち、娘は摂津の箕面の滝にいるらしいという噂が届いた。母親が滝壺のほとりへ立って娘の名を呼ぶと、水の中から蛇の体となった姿がひととき現れ、そのまま消えていったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第8巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第8巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全133話(滋賀・京都・兵庫=近畿)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。