鳴瀬の八大竜王
どんな伝承か
佐久間町(現浜松市天竜区)の話。昔、中部に三人の子を持つ夫婦が住んでいた。母親が病みつき、父が薬を買ってきても「薬では治らないから鳴瀬の三の渕の水を汲んできてくれ」と言う。汲んでくると妻はさもうまそうに飲んで休んだが、その夜から病人は蛇になって天竜川を下って鳴瀬へ行き、夜の明けないうちに帰って寝ているようになった。夫が濡れた草履を怪しんで尋ねると、昨夜便所へ行って濡らしたのだと言い繕った。やがて病気が治ると、妻は川へ洗濯に行くと言って盥に乗り、鳴瀬へ下って竜になったと伝えられる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第7巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第7巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全97話(愛知・岐阜・長野・静岡=中部)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。