弘法清水
どんな伝承か
弘法大師が全国行脚の途中、この里を通りかかった。真夏の炎暑続きで汗にまみれた大師は喉の渇きを覚えたが、付近には川も泉もなく、見渡すかぎり森と原野で人家もない。大師は、こんな広い平原に人家がないのは水が無いためだと考え、草原の中を探し歩いて水の湧きそうな地を見つけ、八大竜王・五岳竜王の二大権現に祈願しては掘り、掘っては祈願した。数時に及んで、ついに清らかな水が滾々と湧き出たので、大師はこの水で手を清め、押し戴いて飲まれたという。この池は蕪の開拓地の南方にあり、昔は一帯に葦が茂る沼地であった。今は田の片隅の小池だが、旱魃にこの水を汲んで雨乞いをすれば霊験があるという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第5巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第5巻』所収の「文化叙事伝説」全104話(千葉・山梨・神奈川・埼玉・東京=関東甲信)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。