人狐が金を取りに来たと源四郎襲撃
どんな伝承か
正月二十四日の夜、人も寝静まった頃、源四郎宅に浅四郎と友四郎が突然訪れ、大声でわめいた。「お前から借りた金子三百匁は、昨晩お前の家の人狐が取りに来たから、狐に耳をそろえて支払ってやった」というのである。驚いた源四郎が夜分の来訪をなじると、友四郎が隠し持った七尺棒を振り上げて頭上に打ってかかった。外では作蔵らが見張り、源四郎は半死半生にされた。源四郎は年寄の久太夫に訴え出て、作蔵の証言もあり、庄屋によって正式に取り調べられることになった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
憑きもの持ち迷信――その歴史的考察(改訂版)(速水保孝・速水保孝・憑きもの研究・昭和(改訂版))
速水保孝『憑きもの持ち迷信―その歴史的考察』の改訂版。自ら狐持ちの家に生まれた著者が、つきもの持ち迷信による差別を内側から告発し、その歴史的基盤を考察する。序章で研究に志した動機・問題の核心・結婚に直面しての苦悩を語り、人権を脅かす実例として狐持ちにまつわる隔地心中、次々と破談になる三兄妹、隠岐の人狐解消決議、犬神が乳児を食ったと絶交、堆肥小屋に外道を飼うを挙げる。