聖霊が蝶になるかくれキリシタン伝承
どんな伝承か
長崎県西彼杵半島の黒崎地方の「かくれキリシタン」が伝える『天地始之事』は、天地と人間の創造から説きあかし、主キリストとマリアの苦難を物語る。しかし数百年にわたる閉鎖した伝承のためにふしぎな曲折と展開をみせ、マリアの処女受胎の場面では、聖霊が蝶になってマリアの口の中に飛びこみ、マリアは身ごもることになっている。蝶の形をとった霊魂が口から肉体に出入りすると考えられたことを示す例だという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
霊魂の博物誌――原始生命観の体系(碓井益雄・碓水益雄・民俗学・現代(著述))
碓水益雄『霊魂の博物誌―原始生命観の体系』。人類が肉体に宿る霊魂をどう捉えてきたかを、言葉・自然・人体の各面から博物誌的に体系化する。序章で生気論と機械論の生命論の流れを概観し、第一章で霊魂観念の成立(肉体に宿る霊魂、人間創造と気息=旧約創世記の息吹き、イキモノ=息物、気と魂)を論じる。