人名のマロ――名と魔除け
どんな伝承か
静岡県浜松市の伊場遺跡からは、八世紀ごろのものとみられる疫病除けの皿形土器が出土している。その土器には人の姿が墨で描かれ、「海部屎子女」という名が記されていた。クソやマリ(屎)にちなむ名は当時広く用いられ、悪霊に狙われないよう、あえて汚い言葉を人名に付けて魔除けとする風習があったことを示す資料とされる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
霊魂の博物誌――原始生命観の体系(碓井益雄・碓水益雄・民俗学・現代(著述))
碓水益雄『霊魂の博物誌―原始生命観の体系』。人類が肉体に宿る霊魂をどう捉えてきたかを、言葉・自然・人体の各面から博物誌的に体系化する。序章で生気論と機械論の生命論の流れを概観し、第一章で霊魂観念の成立(肉体に宿る霊魂、人間創造と気息=旧約創世記の息吹き、イキモノ=息物、気と魂)を論じる。