前妻の怪異・子を迎える火柱
どんな伝承か
長崎市の今博多町、中島川に沿った処に竹田という青年が住んでいた。隣家に遮られ、朝の半時間ほどしか陽の射さない薄暗い家である。妻が男の子を産んだが、難産のうえ産褥熱で数日後に死んだ。青年は後妻を迎え、後妻は実子でない児を愛撫し、毎月児を連れて前妻の墓へ参った。前妻の三周忌が近づいた夜、便所で児に用を足させていた後妻が正面の壁の上に、両手を構え凄い涙を浮かべた女を見た。翌晩は青年も同じ姿を見て「おみよ、心配しないで往ってくれ」と語りかけたが揮り向きもしなかった。ある夜、児が跳ねて洋灯を突き上げて火事となり、火は火柱となって立ちのぼり、児は玄関口で焼け死んでいた。
原典より
* 血みどろの男の顔 (400)* 投石怪談 (404)* 杖を置いた音 (407)* 夢遊病者 (408)* 庭 (411)* 山根先生の話 (418)* 岩おこし (426)* 障子に…—— 日本怪談実話(田中貢太郎・河出文庫版・決定版・昭和13年編纂(1938年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本怪談実話(田中貢太郎・河出文庫版・決定版・昭和13年編纂(1938年))
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