大正の困窮でやめた半檀家
どんな伝承か
二つの寺と付き合う負担を逃れるため、一方へ一時の寄進をして縁を切る解消の仕方がある。練馬区氷川台では大正のはじめ、農家が困窮した折に、男子の側の檀那寺であった遠方の長源寺と話し合い、暮らし向きが直ればまた願うという約束で檀家の関係をいったん取りやめ、土地の寺一つにまとめた。それが今も続いている。氷川台にはほかに、近くの真言宗二か寺に分かれた家が何軒もあったが、両寺の相談で檀家を分け合い、それぞれ丸ごとの檀家として半檀家をやめた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
霊魂の行方(最上孝敬・最上孝敬・葬送民俗・昭和(民俗学))
民俗学者・最上孝敬『霊魂の行方』。日本各地の葬送習俗を実地調査し、死者の霊魂がどこへ行きどう処理されるかを論じた葬送民俗研究の集成。