宗門改帳が示す生家継承型の半檀家
どんな伝承か
男女で属する寺が分かれる半檀家には、二つの型がある。著者が千葉県市原の一帯で調べたのは、男の寺と女の寺が家ごとに決まって動かない型で、これを固定型と呼ぶ。これに対し、杉本尚雄が熊本県腹赤村の慶安二年の宗門改帳から示したものは、他家から嫁いできた女がそのまま生家の寺に属し、生んだ娘も母方の寺に入るために生じた分かれ方で、生家継承型と名づけられる。三世代以上が一つの帳面に並び、通婚の範囲が広いのに寺がひとところに集まっている土地であれば、代ごとに妻の寺が違うことが読み取れ、この型であることがはっきり分かるという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
霊魂の行方(最上孝敬・最上孝敬・葬送民俗・昭和(民俗学))
民俗学者・最上孝敬『霊魂の行方』。日本各地の葬送習俗を実地調査し、死者の霊魂がどこへ行きどう処理されるかを論じた葬送民俗研究の集成。