旗鉾のカラダミと農繁期の内葬
どんな伝承か
岐阜県大野郡の丹生川村は、高山市の西から川に沿って東へ長くのび、乗鞍岳の麓に達する村で、旗鉾はそのかなり奥にある部落である。この辺りでは葬式をカラダミと呼ぶという通信を手がかりに、著者は村の教育委員会を通して、土地一番の物識りとされる大下俊一を訪ねた。俊一によれば、カラダミは年寄でなければ使わない語で、葬式そのものを指す場合もあれば、仮葬のあとの葬儀を指す人もあるという。ただし農繁期に死人が出ると、親類だけで内葬と称して先に埋め、後日あらためて本葬を営む風は確かにあった。俊一の父も七月の養蚕の盛りに亡くなったため内葬とし、九月に本葬をした。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
霊魂の行方(最上孝敬・最上孝敬・葬送民俗・昭和(民俗学))
民俗学者・最上孝敬『霊魂の行方』。日本各地の葬送習俗を実地調査し、死者の霊魂がどこへ行きどう処理されるかを論じた葬送民俗研究の集成。