親教法師の守刀を奪った唐猫
どんな伝承か
親教法師が嵯峨の山庄にいたとき、美しい唐猫がどこからともなく出てきたので、捕らえて飼っていた。この猫が玉を面白がって取るので、法印は愛おしんで取らせていたが、あるとき秘蔵の守刀を取り出して玉のように取らせてみたところ、猫はその刀をくわえたまま逃げ去った。人々が追いかけて捕らえようとしたが叶わず、行方も知れず失せてしまった。この猫はもしや魔が変化して守刀を取り、後に祟るところなく犯したのではないか、恐ろしいことである、と『古今著聞集』は記している。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
動物妖怪譚(日野巌・日野巌・動物妖怪譚・大正・昭和初期)
博物学者・日野巌の古典的妖怪研究『動物妖怪譚』の前半(總論〜多爾具久)。