津軽の海市と広島蓬萊山出現
どんな伝承か
『泰平年表』の記録によれば、享保十一年三月二十五日、安芸広島の海上に蓬莱山のような蜃気楼が出現した。同じ頃、同国の海上では縦横五尺ほどの比目魚に似た大魚が獲れ、これを「沖万歳」と名づけたという。蜃気楼は各地で異なる呼び名を持ち、安芸国では四月に厳島の山の後方の海上に屏風のように様々な物の形が現れるとされ、桑名の「きつねのもり」、津軽の「きつねだま」、越中魚津の「喜見城」などと並ぶ海市の一例として紹介されている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
動物妖怪譚(日野巌・日野巌・動物妖怪譚・大正・昭和初期)
博物学者・日野巌の古典的妖怪研究『動物妖怪譚』の前半(總論〜多爾具久)。