奈留島椿浦の十八間の大赤鱏
どんな伝承か
小嶺磯吉が十四歳の時、明治十二年の出来事という。肥前は中五島の奈留島の椿浦で、小嶺氏の従兄が鯖の大敷網を建てたところ、幅十八間の横網に、長さがちょうど十八間ある大きな赤鱏が背中を出して罹った。背中には鯨と同じような筒形の蠣が無数に付いており、小船から飛び移ってその貝を十ほど引き剥がし、持ち帰って食べたところ旨かったという。集まっていた家船の漁師たちは殺して油を搾りたいと願い出たが、あまりに大きく気味悪がられ、結局網を解いて逃がしてしまったと伝える。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第3巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第3巻』を全158話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。