海岸に河童が築いたという城が残り
どんな伝承か
五島には狐も狸もいないが、河童については名高い話がある。方言ではこれをガッパという。富江村の海岸には、その河童が築いたという城が今もって存在している。昔、この村の大工に河童が憑いて、一夜のうちに造り上げたものだという伝説である。九州の河童は、人の尻を抜いて殺すというだけでなく、人を惑わし、人に憑く作用があるとも信じられており、この五島の一例にもそれがうかがえると説かれている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
迷信の諸相・宗教の真相(井上円了・明治(妖怪学))
『妖怪博士』井上円了による『迷信の諸相・宗教の真相』。迷信を道理に背くことを誤って信じる心理と定義し、妖怪学の立場から全国を巡遊して各地の迷信を実地に報告・批判する(迷信打破)。