越中・蜃気楼の見え方
どんな伝承か
柳田国男は六月十一日朝、滑川に着き水産講習所を見学した。所長室からは南に剣山、その右奥にわずかに立山の頂が望まれるという。蜃気楼はここより西の氷見の山裾に、また東の生地の端近くに見え、魚津からは滑川沖のあたりに見えるとのことであった。いずれも背面は陸地であって洋上に浮かぶのではなく、水平線下の松林などが浮き上がり、砂堤の高いところは壁や橋のように見えるという。晴れた日の午前十時頃から午後四時頃まで断続して現れ、時に変化し離合するさまを、昔の人は人馬の行列などと言ったのだろうと記されている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第3巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第3巻』を全158話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。