昭和初年頃のこと
どんな伝承か
富山県滑川市で昭和初年頃、一周忌に親族が集まった際、その一人が急に亡くなった人物の簞笥を開けようとした。理由を尋ねると、死んだ自分は馬に生まれ変わったが飼い主が親切なので礼をしたい、簞笥の三番目の引き出しにある白の長襦袢の衿の芯に縫い込んだ金を渡してほしいという夢を見たのだと語った。実際に簞笥を開けると夢の通り長襦袢があり、衿にお金が縫い付けてあった。親族が夢に見た駅で降り馬の飼い主を訪ねると、親馬にじゃれる子馬がおり、近づくと嬉しそうに鼻をこすりつけたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話(松谷みよ子・民話・口承文芸・昭和)
松谷みよ子『現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話』を小話単位で全699話収録。死の知らせ・予兆、あの世(地獄・極楽)へ行った話、死者からのサイン、生まれかわりなど、生死とあの世にまつわる現代の民話を全国から採集し地域・話者つきで収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明606話・市区町村判明489話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。