大原で天狗が三度時の声をつくる
どんな伝承か
永正八年八月、大原に天狗どもが寄り集まり、三度にわたって時の声をつくったという。その声を聞いた村の人々は皆、舌がすくんで物を言うことができなくなったと伝わる。『妙法寺記』が書き留める短い一条で、天狗が群れをなして鬨の声を上げた例として挙げられている。天狗はこのほかにも四条河原の桟敷を壊して人々を殺し、社寺に火を放って焼いたと『太平記』に見え、田楽を舞った天狗の話も伝えられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
動物妖怪譚(日野巌・日野巌・動物妖怪譚・大正・昭和初期)
博物学者・日野巌の古典的妖怪研究『動物妖怪譚』の前半(總論〜多爾具久)。