乃木将軍・金沢空家の幽霊
どんな伝承か
乃木希典が二十余歳のころ、金沢である空き家を宿所とした。三階は眺望がよく、寝床を三階にとるよう命じても老婆はなぜか二階に敷いてしまう。強いて三階に泊まらせると、うたた寝の中に女の声がし、蚊帳の上から顔を寄せてくる気配に幾度も跳ね起きたが誰もいない。一晩中安眠できず、翌晩からは老婆の勧めで二階で休むことにした。のちに聞けば、先代のころ不義を疑われた妾がこの三階に上げられ、柱に縛りつけられて飢え死にさせられた事件があり、以来幽霊が出るようになったのだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
科学的教養(小泉丹・小泉丹・科学論・昭和(戦中))
生物学者・小泉丹『科学的教養』(戦中刊)。国民の科学性とは科学知識の普及ではなく科学的態度であるとし、科学的・非科学的の境界を吟味したうえで、怪異談を科学的に検討する。